- 発売日
- 2021年02月20日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 山下竜一
原発の再稼働に際し、原子力法制はいかにあるべきか。憲法・行政法・環境法の視点から新たな法システムの提言をする。
目次
表紙
はしがき
目次
第1部 総論
第1章 原子力法制度に求められる機能とは何か
1 はじめに
2 改正前の法状況の検証
3 原子力法制度における継続的更新機能の確保
4 原子力法制度における民主的正統化機能の確保
5 おわりに――有機的多重的法システムの構築に向けて
第2章 脱原発と財産権
1 連邦憲法裁判所の脱原発判決
2 所有権の制限と収用
3 憲法29条の解釈論
4 むすびにかえて
第2部 制度論
第3章 原子力規制委員会に関する一考察――行政法学におけるアカウンタビリティ試論
1 はじめに
2 議論の前提――アカウンタビリティの概念と種別
3 独立行政委員会(原子力規制委員会)とアカウンタビリティ
4 政治的アカウンタビリティと法的アカウンタビリティ
5 アカウンタビリティの概念からみた法治国
6 おわりに
第4章 規制基準とリスクの社会的受容性
1 はじめに
2 規制内容に関する信頼回復
3 規制主体に関する信頼回復
4 社会的に受容されるリスクの程度と社会通念
5 おわりに
第5章 新規制基準における原子力安全の論理―― 継続的更新性・科学的客観性・民主的正統性・公益適合性確保の視点からの検討
1 はじめに
2 旧規制基準下における原子力安全の論理・構造
3 新規制基準――旧規制基準との連続性・旧規制基準との決別
4 性能規定化と学協会規格の参照指示
5 おわりに
第6章 伝統的許可制度の現代的変容――原子炉設置許可とバックフィット命令を素材にして
1 はじめに――本稿の目的
2 許可制度の伝統的理解
3 許可の存続保護効果――ドイツ法から
4 わが国における許可法制の現状と評価
5 バックフィット命令の整備の意義と課題
6 現代国家における許可法制の再検証――むすびにかえて
第7章 原子炉等規制法における新たな規制制度に関するノート
1 はじめに
2 原子炉設置許可のあり方について
3 原子力規制検査の制度化について
4 おわりに
第8章 自治体の関与の正統性と法的根拠――安全規制への周辺自治体の関与を中心に
1 はじめに
2 自治体と原発法制、安全協定等
3 原子力リスクの行政法理論と福島第一原発事故後
4 自治体の関与の正統性と法的根拠
5 おわりに
6 補遺
第9章 わが国における原子力災害対策の過去と現在
Ⅰ はじめに
Ⅱ 福島事故以前の原子力災害対策
Ⅲ 福島事故後の原子力災害対策の状況
Ⅳ 原子力災害対策をめぐる法的課題
Ⅴ おわりに
第10章 原発再稼働とバックエンド問題
1 はじめに――原子力法の性格
2 日本学術会議の提言――公論形成の契機としての「暫定保管」案
3 バックエンド問題と原発再稼働の関係
4 計画行政法の視点から
5 むすび
第3部 訴訟論
第11章 福島第一原発事故国家賠償請求訴訟の現状と展望
1 はじめに
2 規制権限不行使の違法の判断枠組みについて
3 段階的安全規制について
4 経済産業大臣の津波対策義務に関する規制権限について
5 予見可能性について
6 結果回避可能性と国の権限不行使の違法性について
7 国と東電の責任割合について
8 むすびにかえて――規制権限不行使の違法が問題となる事例の類型化の可能性
第12章 原発訴訟における地方自治権の裁判的保護――ドイツ原発訴訟から観た大間原発訴訟の原告適格論
1 はじめに
2 大間原発訴訟の概要
3 ドイツの地方自治(自治権)の裁判的保護
4 憲法の自治権侵害以外を理由とする地方自治(自治権)の裁判的保護
5 おわりに――ドイツにおける新新保護規範論〜国家の分肢(部分)の「公権」論の新展開
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