BUSINESS LAWYERS LIBRARY

表現の自由の苦難

発売日
2024年08月01日
出版社
日本評論社
編著等
川岸令和

表現の自由と熟議民主主義を通じて、いかにして自由で民主的な社会を構想していくかを問い続けた憲法研究者の単著論文集。

目次

表紙

Norikazu Kawagishi: Student, Friend, and Inspiration

編集に際して

目次

初出一覧

第1部 自由の構成としての憲法――自省的社会構築のための原理論

第1章 表現の自由・寛容・リベラリズム――表現の自由の一般理論のための予備的考察

Ⅰ はじめに

Ⅱ スコウキ事件――問題の所在

Ⅲ 表現の自由の保障根拠論

Ⅳ 表現の自由とリベラリズム

Ⅴ おわりに

第2章 言論の自由と熟慮に基づく討議デモクラシー――その予備的考察

Ⅰ はじめに

Ⅱ 政治過程の秩序づけと言論の自由――パラダイムとしてのBuckley v. Valeo

Ⅲ Buckley判決以後の展開

Ⅳ リベラルな共和主義の挑戦――サンスティンの改革論

Ⅴ 小結

第3章 自由の構成としての憲法――熟慮に基づく討議デモクラシーの可能性

Ⅰ はじめに

Ⅱ 合衆国憲法と熟慮に基づく討議デモクラシー

Ⅲ 言論の自由の共和主義的価値

Ⅳ 小結

第4章 未完の憲法革命――新しい時代の幕開けと美濃部達吉

Ⅰ ポスト市民革命の憲法制定

Ⅱ 憲法改正不急論

Ⅲ 大衆デモクラシー状況下の制度設計

Ⅳ 伝統への傾斜

Ⅴ テクストに対する解釈の優位

Ⅵ 連続と断絶の狭間で

Ⅶ 未完の憲法革命

第2部 表現の自由の諸相――苦境から展望へ

第5章 表現の自由とその限界

はじめに

Ⅰ 表現の自由の優越的地位

Ⅱ 表現の自由の価値

Ⅲ いわゆる価値の低い表現――合衆国の経験に照らして

結びに代えて

第6章 表現の自由と人格権と――『週刊文春』事件の衝撃

Ⅰ 事件の経緯

Ⅱ プライバシー権との調整

Ⅲ 表現の自由の憂鬱

Ⅳ それでも表現は法的に自由でなければならない

第7章 表現の事前抑制と検閲――表現の自由の源流、そしてその擁護のために

Ⅰ はじめに

Ⅱ 出発点としての検閲からの自由

Ⅲ 事前抑制禁止の原則

Ⅳ 日本の場合

Ⅴ おわりに――さらに論ずべきこと、あるいは対象外のこと

第8章 表現の機会を求めて――アクセスが沈黙を呼ぶパラドクスを超えられるか

Ⅰ はじめに

Ⅱ Red Lion判決

Ⅲ CBS v. DNC判決

Ⅳ Miami Herald判決

Ⅴ CBS v. FCC判決

Ⅵ 公平原則の廃止

Ⅶ PruneYard Shopping Center判決

Ⅷ Pacific Gas & Electric Co. 判決

Ⅸ 表現機会へのアクセスをめぐって

Ⅹ むすびにかえて

第9章 知る権利論――憲法と情報公開法の相互浸透に向けて

Ⅰ はじめに

Ⅱ 最高裁における2つの知る権利

Ⅲ 知る権利――憲法上か制定法上か

Ⅳ より広範な視点からの考察の必要性

Ⅴ FOIAからの教訓

Ⅵ 情報公開法の不断のアップデイトを

第10章 災害と情報

Ⅰ はじめに

Ⅱ 東日本大震災の特徴

Ⅲ 災害と情報――災害情報論の知見から

Ⅳ 避難行動要支援者や被災者の支援をめぐって

Ⅴ 東日本大震災と情報の流通

Ⅵ むすび――災害に強い情報社会への展望

第11章 「 学習の自由」と社会教育――その原理的探究

Ⅰ 立憲主義の現代的変容

Ⅱ 教育に関する憲法上の権利

Ⅲ 社会教育における学習の自由

第3部 自省的社会の制度的課題

第12章 選挙資金規制についての――考察─制度と権利の狭間で

Ⅰ はじめに

Ⅱ 合衆国における選挙資金規制の枠組み

Ⅲ Buckley判決以降の判例

Ⅳ 2002年超党派政治資金規制法

Ⅴ ロバーツ・コートの積極主義

Ⅵ 制度と権利の狭間に

Ⅶ 結びに代えて

第13章 執行権と大統領制――単一執行権論と単独主義をめぐって

はじめに

Ⅰ 執行府の長としての大統領

Ⅱ 外交のリーダーとしての大統領

Ⅲ 執行権論

結びに代えて

第14章 裁判官と表現の自由――アメリカの経験を通して考える

Ⅰ 裁判官の表現活動に関する行動準則

Ⅱ 裁判外表現活動の若干の事例

Ⅲ 裁判官の沈黙は金か

第15章 違憲裁判の影響力――司法の優位についての覚書

Ⅰ はじめに

Ⅱ 従来の議論の概観

Ⅲ 違憲の裁判への対応

Ⅳ 違憲裁判の効果と司法の優位

Ⅴ 結びに代えて

第16章 リベラル・デモクラシーと裁判所――違憲審査の活性化に向けて

Ⅰ 不活発な違憲審査

Ⅱ 政治の裁判化現象

Ⅲ 政治の裁判化の要因

Ⅳ 政治の裁判化の帰結、そして日本

Ⅴ 結びに代えて

第17章 権力分立の現代的意義

Ⅰ はじめに

Ⅱ 権力分立制

Ⅲ ポピュリズムについての簡潔な検討

Ⅳ 権力統制の現代的課題

Ⅴ 制度大改革とその後

Ⅵ おわりに

おわりに

おわりに――日本国憲法という未完のプロジェクトへの誘い

川岸令和 著作目録

人名索引

事項索引

判例索引

奥付

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