BUSINESS LAWYERS LIBRARY

統治機構と対抗権力

発売日
2023年03月10日
出版社
日本評論社
編著等
只野雅人、佐々木雅寿、木下和朗

既存の議会制の制度的枠組みでは制御しきれない様々な要求にどう応えるか。「対抗」の諸要素を析出し、憲法学から制度化を試みる。

目次

表紙

はじめに

目次

第1部 統治機構と対抗権力

[第1章]統治機構と対抗権力――日仏の比較に基づく総論的考察

1 はじめに──「対抗権力」の含意

2 対抗権力

3 可変構造の憲法と権力/対抗権力

4 柔構造の憲法と権力/対抗権力

5 コロナ禍と権力/対抗権力

6 対抗権力の均衡化と活性化──むすびにかえて

[第2章]自律と対抗権力――ケルゼンの民主主義論に即して

1 はじめに

2 自律と他律

3 立憲主義と民主主義

4 「対抗権力」が問われる文脈

5 おわりに

[第3章]対抗権力としての野党の役割――国会の制度から考える

1 存在感なき日本の野党

2 議会審議における野党

3 国会の制度と野党

4 おわりに──対案路線の陥穽から抜け出すには

[第4章]対抗権力としての上院(参議院)をめぐる憲法的考察

1 はじめに

2 両院制における上院の役割──刑部荘による分析から

3 参議院の補正的性格と政党化──深瀬忠一による分析から

4 参議院の性格の変化(?)──岡田信弘による分析から

5 議論を踏まえた検討

6 まとめ──抑制的な対抗権力の形成のために

[第5章]条約過程の憲法問題――条約締結をめぐる対抗あるいは協働

1 はじめに

2 条約の様相

3 条約の過程

4 おわりに

第2部 制度と社会における対抗の現況

[第1章]コロナ禍におけるフランスの対抗権力・日本の対抗権力

1 緊急事態と行政権の強化

2 COVID-19パンデミック間の対抗権力

3 結論

[第2章]第5共和制下における対抗権力としての議会――2022年6月の国民議会選挙が示したもの

1 議会制と半大統領制

2 選挙方式──比例代表制と多数代表制

3 議会の機能

[第3章]免責特権の拡充――対抗権力の確保という視点から

1 公開のフォーラムにおける多様な見解の確保

2 ソーシャル・メディアと発言免責特典

3 「院外での公表行為」と免責特権の保障

4 本件事案の考察

5 跋──免責特権の拡充の代償

第3部 各国の議会制と対抗権力

[第1章]ドイツ・フランスの議会制と対抗権力

1 対抗権力としての議会

2 議会に対する対抗権力

3 結論

[第2章]フランス議会と対抗権力

1 議会の権力に対する対抗権力

2 部分的対抗権力としての議会

[第3章]国会機能論再考――「消極的議会制(le parlementarisme négatif)」論を手がかりとして

1 はじめに

2 1958年憲法と「消極的議会制」

3 2008年憲法改正と「消極的議会制」

4 結びに代えて──日本国憲法と「消極的議会制」

[第4章]フランスにおける多数派デモクラシーと第二院

1 第3共和制における強い第二院

2 第4共和制における弱い第二院

3 第5共和制における第二院

[第5章]イギリスにおける公の調査――政府・議会・司法・社会の接合と対抗

1 序

2 意義

3 制度運用

4 2005年調査法

5 2005年法の評価及び同法に基づく公の調査をめぐる議論

6 調査の設置主体──政府

7 調査の遂行主体──裁判官

8 調査の公開──調査関係者、メディア、公衆との関係

9 公の調査と議会

10 結

[第6章]英国の議会組織間における抑制と均衡の論理――貴族院と権限委譲議会の対抗的機能

1 はじめに

2 貴族院改革の到達点

3 英国議会における貴族院の機能と正統性

4 権限委譲議会の設置と非対称性

5 権限委譲議会の標準化と発言権強化

6 おわりに

[第7章]イタリアの議会制における対抗権力――野党及び大統領の役割を中心に

1 はじめに

2 立法過程における野党

3 立法過程における大統領

4 おわりに

第4部 憲法秩序と対抗権力――政治部門・司法・市民

[第1章]アメリカ政治の分極化が連邦最高裁判所に与える影響と司法審査理論の動向に関する序論的考察

1 はじめに

2 政治における分極化

3 連邦最高裁における分極化

4 分極化時代の司法審査理論の動向

5 日本への示唆

6 おわりに

[第2章]フランス議会と憲法院

1 議会に対する憲法院の職責

2 合憲性優先問題と議会

[第3章]人権訴訟における解釈による救済――国籍法違憲判決再訪

1 はじめに

2 国籍法違憲判決の論点

3 裁判所の人権救済機能

4 国籍法違憲判決の概要

5 救済の方法

6 おわりに

[第4章]参議院の投票価値の平等をめぐる最高裁と国会との継続的対話

1 はじめに

2 判例の流れ

3 第1期の判例と公職選挙法の昭和57年改正

4 第2期の判例と公職選挙法の改正

5 第3期の判例と公職選挙法の改正

6 検討

7 おわりに

[第5章]一部違憲と合憲拡張解釈――国籍法違憲判決を題材として

1 はじめに

2 国籍法違憲判決の各意見の立場

3 検討

4 おわりに

[第6章]権力に対抗する個人

1 はじめに

2 イラク派兵違憲訴訟

3 戦争と個人

4 おわりに

奥付

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