- 発売日
- 2016年03月25日
- 出版社
- 法律文化社
- 編著等
- 佐藤育己
近年の航空機市場の急速な拡大と効率化に、法はどのような役割・機能をはたしているのかを考察、解明。法解釈学の枠にとどまらない画期的な考察は、日本における学術的な議論の空白を埋め、新たな学際的対話の可能性を示す。
目次
表紙
はしがき
目次
はじめに
第1章 国家を組み込んだゲームのルール確立の軌跡
I 導入
Ⅱ 受益者主導による統一私法条約の起草
1 条約形式による私法統一の特徴と問題点
2 経路からの離脱:受益者の組織化
3 集団的な(collective)交渉テーブルの創出:二元構造の採用
Ⅲ 私的実行を中核とする担保制度の建設
1 国際担保権の私的実行方法
2 権利関係の可視化:国際登録簿の設置
3 実行手続の円滑化
Ⅳ 国家との駆け引き
1 国家の支持を引き出すための方策とその効果
2 締約国検索サービス
3 ケープタウン条約割引制度
V 結語
第2章 公示・対抗制度統一の現状
I 導入
Ⅱ 1948年ジュネーブ条約の概要と意義
1 モデルの設定
2 概要
3 意義
Ⅲ 1948年ジュネーブ条約をめぐる諸問題
1 実質規定の問題点
2 抵触法的構造の限界
3 外部化された課題
Ⅳ 2001年ケープタウン条約・航空機議定書による実質法統一
1 単一法システムの構想
2 国際登録システム
3 対抗問題の一元的解決
V 結語
第3章 統一担保制度誕生までの葛藤と和解の力学
I 導入
Ⅱ 基本設定
1 航空機担保権の実行
2 航空機ファイナンス
3 条約の採択と批准
Ⅲ 産業界の要望を満たすための方策
1 産業団体の参画
2 二元構造
3 信義則の不採用とオフィシャル・コメンタリーの作成
4 私的自治の応用
5 モデルに基づく考察
Ⅳ 国家の支持を引き出すための方策
1 対象物件の限定
2 宣言システム
3 モデルに基づく考察
V 結語
第4章 自律的メタ秩序による信用創出のダイナミックス
I 導入
Ⅱ 航空機ファイナンスをめぐる法的・政治的課題とケープタウン条約
1 法の多様性
2 法の内容
3 機会主義リスク
Ⅲ 基本モデル
1 融資契約
2 時間非整合性の問題
Ⅳ ケープタウン条約の諸制度
1 事後の制約としてのホワイトリスト・システム
2 事前の参加条件としての宣言システム
V 結語
おわりに
別表 条約と締約国数(2015年9月19日現在)
参考文献一覧
人名・事項索引
著者紹介/底本奥付
電子版奥付