- 発売日
- 2024年05月05日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 日本社会保障法学会
少子化や高齢化、働き方改革、虐待、ジェンダー問題等の現代的社会事象と社会保障法学の関係について、解決の方向性を考える。
目次
表紙
刊行の趣旨
目次
第1章 立法と社会保障 新田秀樹
Ⅰ はじめに―検討の対象と視点
Ⅱ 社会保障立法の立法過程―内閣立法を中心に
1 一般的・標準的な立法過程
2 社会保障立法の立法過程の特徴的事例
Ⅲ 社会保障立法の立法技術
1 一般的・標準的な立法技術
2 社会保障立法の立法技術の特徴的事例
Ⅳ 社会保障立法の立法内容
1 一般的・標準的な立法内容
2 社会保障立法の立法内容の特徴
Ⅴ おわりに―社会保障立法への社会保障法学の関与のあり方
第2章 外国人と社会保障 島村暁代
Ⅰ はじめに
Ⅱ 制度適用の有無
1 国籍による制限があるもの
2 在留資格による制限があるもの
3 国籍・在留資格による制限がないもの
4 検討
Ⅲ 制度運用における課題
1 制度横断的な課題
2 個別の問題状況
Ⅳ おわりに
第3章 高齢化と社会保障 中益陽子
Ⅰ はじめに
Ⅱ 年齢要件と高齢
1 社会保障制度と高齢
2 年金制度と高齢
3 医療保険制度と高齢
4 介護保険制度および社会福祉制度と高齢
5 生活保護制度と高齢
Ⅲ 要保障事由としての高齢および高年齢設定の意義
1 最も遠い将来としての高齢の予測困難性
2 年齢設定による予測可能性の確保と高齢
3 扶養義務と高齢
4 年齢設定と制度の硬直性
5 柔軟な制度設計と高齢
Ⅳ おわりに
第4章 少子化と社会保障 橋爪幸代
Ⅰ はじめに
Ⅱ 少子化の進行と少子化対策の変遷
Ⅲ 少子化対策としての社会保障施策
1 子育てしやすい社会にするための施策
2 子どもを産みやすい社会にするための施策
Ⅳ 少子化による社会保障制度への影響
1 財政への影響と対策
2 人材の不足と対策
Ⅴ おわりに
第5章 働き方の変化と社会保障 水島郁子
Ⅰ 社会保障と働き方
1 社会保障と働き方の関係
2 働き方の変化、多様化
Ⅱ 兼業労働者
1 労災保険
2 雇用保険
3 被用者保険
Ⅲ フリーランス
1 問題状況
2 労災保険
3 雇用保険
第6章 家族の変容と社会保障 倉田賀世
Ⅰ はじめに―「家族」の現状
Ⅱ 検討の視座
Ⅲ 社会保障法学説および社会保障法制からみる「家族」
1 社会保障法学説における「家族」像
2 社会保障法制から措定できる家族像
Ⅳ 改正の方向性
1 被扶養者ニーズへの対応の変化
2 ケア機能の低下への対応
Ⅴ 世帯単位の意義と個人単位化
1 世帯単位の意義
2 今後の課題
第7章 ジェンダーと社会保障 衣笠葉子
Ⅰ はじめに―問題の所在
Ⅱ 社会保障法制におけるジェンダー
1 性別に基づく区別が明示される制度
2 規定上は中立的だが保障状況において性別の偏りがみられる制度
Ⅲ 遺族年金における夫と妻で異なる受給要件の合憲性
1 「夫」と「妻」で異なる年齢要件の沿革
2 違憲審査基準と社会的状況の変化に対する裁判所の評価
Ⅳ ジェンダーから「SOGI」へ
1 固定的性別役割分担意識と社会保障制度の関係
2 SOGI、LGBTQと社会保障法制
Ⅴ 社会保障法制における「配偶者」と同性婚への対応
1 社会保障法制がSOGIの観点に対応すべき意義
2 同性間の事実婚関係と配偶者概念の拡張
Ⅵ おわりに―今後あるべき姿とは
第8章 虐待と社会保障 福島豪
Ⅰ 虐待防止法制の目的と保護法益
Ⅱ 虐待の定義と分類
1 虐待の定義
2 虐待の分類
Ⅲ 虐待対応の体制
Ⅳ 虐待への介入
1 虐待の把握
2 虐待からの保護
Ⅴ 虐待への支援
1 虐待の予防
2 虐待からの回復
Ⅵ 虐待防止に向けた社会保障法制の役割
第9章 地域と社会保障 川久保寛
Ⅰ はじめに
Ⅱ 社会保障における地域とサービスの統制
1 医療計画にみる地域と医療機関の指定
2 地域設定の合理性と地域の見直し
3 小括
Ⅲ 介護保険と地域包括ケアシステム
1 介護保険の地域と地域包括支援センター
2 地域包括ケアシステムと医療・介護の連携
3 住民活動と市町村の関わり
4 小括
Ⅳ 地域共生社会と社会保障制度
1 相談支援・相談援助の広まり
2 地域福祉の充実と市町村による促進
3 地域共生社会と社会保障給付・事業
4 小括
Ⅴ おわりに
第10章 新たな支援形式と社会保障 林健太郎
Ⅰ 本章の目的と議論の対象
Ⅱ 社会保障法学におけるこれまでの議論と本章における検討の視点
1 社会保障法学における議論の展開
2 本章の検討の視点
Ⅲ 新たな支援形式の法的統制
1 市町村の包括的支援体制整備義務の内容
2 重層事業の予定する支援過程
3 〈「支援体制」の下での「支援」〉をめぐる法的課題
4 市町村の責任
Ⅳ むすび
第11章 貧困の多様化と社会保障 嶋田佳広
Ⅰ はじめに
Ⅱ 貧困の把握とその意義
1 総論的把握
2 各論的把握
Ⅲ 貧困と社会保障制度
1 貧困の対社会的作用
2 制度にひとまず引きつけたときの問題
Ⅳ 社会保障法学にとっての発展的な論点
1 立法論を含む課題整理
2 社会保障法学的アプローチ、とりわけ「支援」の意味合い
Ⅴ おわりに
第12章 障害と社会保障 永野仁美
Ⅰ はじめに
Ⅱ 戦後から21世紀初頭までの障害者施策
Ⅲ 障害者権利条約後の障害者施策
1 障害者権利条約
2 障害者権利条約の批准のための国内法整備
3 障害者権利委員会による総括所見(2022年10月)
Ⅳ 障害者権利条約の観点からみた社会保障制度の課題
1 医学モデルから社会モデルへ―障害認定の見直し
2 社会へのインクルージョン
3 障害者の自己決定・参加
Ⅴ おわりに
第13章 感染症と社会保障 稲森公嘉
Ⅰ はじめに
Ⅱ 感染症と医療・福祉サービス保障
1 感染症医療提供体制の確保
2 感染症以外の医療提供体制の確保と感染予防のための取組み
3 感染症と福祉サービス保障
Ⅲ 感染症と所得保障
1 休業時の所得保障
2 休業時所得保障以外の経済的支援策
Ⅳ おわりに
第14章 住居保障と社会保障 常森裕介
Ⅰ はじめに―住居と生活支援の組み合わせに着目して
Ⅱ 市場における住居確保の困難
1 住宅市場における住居確保の困難
2 住居を保障する給付
3 住居保障の方法の限界
Ⅲ 社会保障制度における居住空間の保障
1 高齢者の住居と生活支援
2 子どもの住居と生活
3 小括
Ⅳ 社会保障制度における住居と生活の保障
1 生活環境の構築と住居の役割
2 住宅供給市場の構築と社会サービスの手法
3 住居保障の要保障事由
4 低所得者の住居確保と住まい支援
Ⅴ まとめ―住居保障における要保障事由と住宅確保要配慮者
第15章 司法福祉と社会保障 中川純
Ⅰ はじめに
Ⅱ 高齢・障害者による犯罪の発生状況と刑務所の入所者
Ⅲ 刑務所における高齢・障害受刑者支援
1 刑務所における高齢・障害受刑者の処遇
2 刑務所出所後の処遇と釈放に向けた支援
Ⅳ 保護観察制度とケースワーク
1 保護観察制度の目的、方法、実施者
2 指導監督と補導援護
3 保護観察所の保護観察以外の業務―応急の救護と更生緊急保護
4 保護観察のケースワークの特徴
5 福祉的ニーズを有する対象者に対する保護観察の問題点
Ⅴ 福祉関係機関との連携
1 定着支援センター、福祉関係機関との連携
2 福祉関係機関(グループホーム)のソーシャルワーク
3 福祉関係機関のソーシャルワークの特徴
Ⅵ おわりに
執筆者紹介
奥付