- 発売日
- 2026年02月28日
- 出版社
- 法律文化社
- 編著等
- 大西健司
自律的個人(大人)と比較して能力的に劣る存在である子どもの人権の観点から憲法学が高い価値を与える表現の自由に対して規制を及ぼすことは許されるか。刑事法学では有力学説である「子どもの成長発達権論」の理論的根拠と規制の正当化を憲法学的に再考する。
目次
表紙
はじめに
目次
初出一覧
序章 問題の所在と本書の目的
第1節 問題の所在
1 〈自律的個人〉の論証なき前提
2 従来の成長発達権論とその限界
第2節 本書の目的と構成
第3節 2021年改正少年法に関する補足
第1章 推知報道問題を巡る成長発達権保障説の意義と課題
第1節 本章の課題
第2節 米国の議論状況
1 少年裁判所の創設と匿名性保護の根拠
2 匿名性保護への支持の後退
3 Smith判決の出現
4 Smith判決後の匿名性保護の状況
5 匿名性の保護を巡る理論的問題
6 小括
第3節 英国の議論状況
1 規制の概要
2 規制の特徴―日本の少年法との比較
3 規制の背景
4 判例による判断基準形成
5 問題の所在
6 代替的権利論の必要性
第4節 日本の議論状況
1 少年法61条の趣旨を巡る議論
2 プライバシー権・社会復帰の利益からのアプローチ
3 少年固有の人権―成長発達権―からのアプローチ
4 人権相互の衝突と原理間衡量
第5節 成長発達権保障説の意義と課題
第2章 関係的権利論による子どもの人権論の再構成
第1節 本章の課題
1 問題の所在
2 本章の課題
3 構成と概要
第2節 関係的権利論による権利の基礎づけ
1 関係的権利論の概要
2 批判と考察
第3節 関係的権利論による子どもの人権の基礎づけの意義と憲法的課題
1 子どもの人権を関係的権利によって基礎づけることの意義
2 子どもの人権を関係的権利によって基礎づけることの憲法的妥当性
第3章 成長発達権の解釈におけるアイデンティティへの権利の意義
第1節 本章の課題
1 本章の課題
2 構成と概要
第2節 成長発達権を巡る学説の展開とその限界
1 憲法学における成長発達権論の展開とその限界
2 意見表明権を基軸とする成長発達権の関係論的構成とその限界
第3節 子どもの教育を巡る国家の関心と介入―米国の事例を参考に
1 関心の焦点としての公教育
2 多元的社会における国家の正当な介入を巡る議論
第4節 「協働する個人」と自己定義の自由
1 集団と個人を巡る葛藤とその解決の模索
2 評価と考察
第5節 成長発達権の基底的内容としてのアイデンティティへの権利
1 自己定義の自由とアイデンティティへの権利
2 アイデンティティへの権利の意義と効果
3 成長発達権の基底的内容としてのアイデンティティへの権利の意義
第4章 アイデンティティへの権利論の具体的適用とその帰結
第1節 本章の課題
第2節 関係的権利論が招来する解決とその実現方法
1 子どもの権利論における関係的権利論の立ち位置
2 子どもの人権の関係論的構成
3 関係的権利が招来する問題解決とその実現方法
4 英国判例法に表れた「相互的責任」の一端とその限界
5 調停的解決の限界と2つのアプローチ
6 子どもの2つの権利―参加の権利とアイデンティティへの権利―とその関係
第3節 保護の道徳原理に基づく関係性の保全―英国判例を素材に
1 憲法問題性の確認
2 事例1―Re M(Children’s upbringing)
3 事例2―Re P(A Minor)(Residence Order : Child’s Welfare)
4 残された問題の検討
第4節 権利の道徳原理に基づく「武器」としての権利
1 推知報道によるアイデンティティへの権利の侵害
2 アイデンティティへの権利の公共性とその論理
終章 本書のまとめと残された課題
第1節 本書のまとめ―「成長発達権の解釈におけるアイデンティティへの権利の意義」再考
第2節 残された課題
参考文献一覧
判例索引
事項索引
著者紹介
奥付