- 発売日
- 2022年02月01日
- 出版社
- 勁草書房
- 編著等
- 嶋拓哉、高杉直
学部、法科大学院の学生に対して、客観的な記述により基本事項に関する最新の知識・知見を提供する。抽象的、観念的な議論を理解するに当たって読者が具体的にイメージしやすいように豊富な【設例】を用い具体的な事案に即して各論点に丁寧に解説を加える。授業の教科書とともに独習用にも対応する。
目次
表紙
はしがき
目次
凡例
Ⅰ 序論
1. 国際民事手続法の概要
(1)意義
(2)対象領域
(3)広義の国際私法における位置付け
2. 国際民事手続法の法源
(1)国内法
(2)条約
Ⅱ 財産法領域の国際裁判管轄
1. 総説
(1)本章での検討対象
(2)民訴法上の国際裁判管轄規定
(3)民訴法が定める管轄原因
2. 被告本拠地管轄の原則
(1)原則管轄の必要性
(2)原則管轄の基礎としての被告の本拠地の適格性
(3)民訴法3条の2の解釈
(4)他の規定との関係
3. 債務履行地管轄等
(1)債務履行地管轄を認める意義
(2)「契約上の債務」が金銭債務である場合
(3)「債務の履行地」の決定
(4)契約による履行地の指定等
(5)手形・小切手の支払請求を目的とする訴え
4. 財産所在地管轄等
(1)財産所在地管轄を認める意義
(2)請求目的物所在地管轄
(3)被告の一般責任財産所在地管轄
(4)船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え
5. 事務所・営業所所在地管轄、事業活動地管轄等
(1)法人の従たる事務所・営業所が日本国内にある場合
(2)法人の事務所・営業所が日本国内にない場合
6. 社団または財団に関する訴えの管轄
7. 不法行為地管轄
(1)不法行為地管轄を認める意義
(2)「不法行為があった地」の決定
8. 船舶衝突・海難救助事件の管轄
(1)船舶衝突の管轄
(2)海難救助の管轄
9. 不動産所在地管轄
10. 消費者契約・労働契約に関する特則
(1)国際裁判管轄における経済的弱者保護
(2)消費者契約に関する特則
(3)労働契約に関する特則
11. 併合管轄・反訴
(1)併合請求
(2)客観的併合
(3)主観的併合
(4)反訴
12. 管轄合意
(1)管轄の合意
(2)管轄合意の要件:総論
(3)管轄合意の要件:各論
(4)管轄合意の有効性判断の準拠法
(5)合意管轄における経済的弱者保護
13. 応訴管轄
14. 法定専属管轄
(1)概説
(2)会社の組織に関する訴え等
(3)登記または登録に関する訴え
(4)登録型知的財産権の存否または効力に関する訴え
15. 特別の事情による訴えの却下
(1)概説
(2)特別の事情と管轄原因
(3)特別の事情の認定のために考慮される事情
(4)外国訴訟係属の考慮(国際訴訟競合)
Ⅲ 家族法領域の国際裁判管轄
1. 人事訴訟
(1)規律の全体像
(2)基本的な管轄原因
(3)関連損害賠償請求
(4)子の監護に関する処分等・財産分与請求
(5)特別の事情による訴えの却下
(6)訴えの変更および反訴に関する規律
2. 家事審判事件
(1)概説
(2)養子縁組に関する審判事件
(3)親権に関する審判事件
(4)扶養に関する審判事件
(5)財産分与に関する審判事件
(6)特別の事情による訴えの却下
3. 相続関連裁判
(1)相続関連訴訟
(2)相続関連家事事件
4. 家事調停事件
(1)原則
(2)例外
5. ハーグ子奪取条約の実施手続
(1)概説
(2)子の返還申立事件の手続
(3)子の返還事由と返還拒否事由
(4)子の返還の執行手続
Ⅳ 裁判権免除
1. 「裁判権免除」の意義
(1)基本概念の説明
(2)裁判実務・立法の変遷
2. 対外国民事裁判権法
(1)裁判権免除主体としての「外国等」
(2)「外国等」が裁判権から免除されない場合
(3)商業的取引
(4)労働契約
(5)保全処分・民事執行の段階における主権免除
Ⅴ 当事者適格、当事者能力、訴訟能力
1. 当事者適格
(1)問題の所在
(2)学説
(3)裁判実務
(4)検討
2. 当事者能力
(1)問題の所在
(2)学説・裁判実務
(3)検討
3. 訴訟能力
(1)問題の所在
(2)学説・裁判実務
(3)検討
Ⅵ 国際的な送達・証拠調べ
1. 外国における送達・証拠調べと国際司法共助
(1)外国における送達・証拠調べ
(2)国際司法共助
2. 国際司法共助の法的根拠
(1)条約等の必要性
(2)多国間条約
(3)二国間条約
(4)二国間取決め
(5)個別の応諾
(6)日本と米国との間の国際司法共助
3. 国際司法共助の基本的な手続の流れ
(1)手続の流れとポイント
(2)嘱託書の作成
(3)嘱託書等の送付ルート
(4)送達・証拠調べの実施
(5)送達共助または証拠共助で起きる特別な問題
4. 外国における証拠調べに関する検討課題
(1)任意に応じる証拠調べ
(2)域外的な証拠提出命令
(3)証拠収集条約
5. IT化がもたらす現代的課題
Ⅶ 外国判決の承認・執行
1. 外国判決の承認・執行の意義と法
(1)判決の地理的効力範囲と外国判決の承認・執行
(2)承認と執行
(3)外国判決の承認・執行を規律する日本の法
2. 承認・執行の基本事項
(1)承認・執行における特別の手続・方式の要否
(2)実質的再審査の禁止
3. 承認要件総説
4. 承認対象性
(1)判決性
(2)外国裁判所
(3)確定性
(4)保全命令
5. 間接管轄
(1)趣旨
(2)判断基準の基本
(3)間接管轄と直接管轄の判断基準の関係
(4)非同一説による間接管轄判断の仕方
6. 送達
(1)趣旨
(2)「送達」における条約遵守性と了知・防御可能性
(3)「応訴」による2号要件の充足
7. 公序
(1)趣旨
(2)判断枠組
(3)実体的公序と手続的公序
(4)公序の判断事例
(5)懲罰的損害賠償判決
8. 相互の保証
(1)趣旨と判断基準
(2)相互の保証の判断事例
(3)相互の保証削除論
9. 外国裁判所の家事事件裁判の承認・執行
(1)承認と執行の基本条文
(2)家事法79条の2の適用
10. 承認要件の手続上の取扱い
(1)職権調査事項と抗弁事項
(2)承認要件審査の基準時
11. 内外判決の抵触235
Ⅷ 国際仲裁
1. 国際取引紛争の解決方法としての仲裁の利用
(1)国際仲裁の意義
(2)仲裁の利点
(3)仲裁を支援する法的枠組み
2. 仲裁手続・仲裁規則・仲裁法
(1)機関仲裁とアドホック仲裁
(2)仲裁地の仲裁法による仲裁手続の規律
(3)日本の仲裁法の適用
3. 仲裁合意
(1)仲裁合意の成立・効力
(2)仲裁合意の独立性
(3)仲裁合意の準拠法
4. 仲裁人の選任と仲裁廷の構成
(1)仲裁人の選任
(2)仲裁廷の仲裁権限判断権
5. 仲裁手続と仲裁判断
(1)仲裁手続の実施
(2)仲裁判断の準拠法
(3)仲裁判断の取消し
(4)仲裁判断の承認・執行
Ⅸ 国際民事保全
1.「国際民事保全」の意義
2. 国際保全管轄
(1)本案管轄地の管轄権
(2)保全対象の所在地の管轄権
3. 国際保全手続
(1)保全命令の要件
(2)本案の起訴命令
(3)執行期間の伸長
4. 外国保全命令の承認・執行
5. 国際商事仲裁における保全措置
参考文献
事項索引
判例索引
執筆者紹介
奥付