- 発売日
- 2023年10月13日
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 編著等
- 岡本 正
この国の未来を担うあなたへ。人間の復興を目指すオール・ハザード・アプローチ。感染症×風水害×防災教育×事業継続。慶應義塾大学で誕生し全国へ広がる人気講座の最新刊が遂に登場。感染症、地震、津波、台風、豪雨を乗り越え次の百年へ叡智を繋ぐ政策ドキュメンタリー。
目次
表紙
プロローグ
目次
第1部 新型コロナウイルス感染症と災害復興法学ーCOVID-19
第1章 新型コロナウイルス感染症は災害か 災害対策の知恵を感染症に活かせ
1 新型コロナウイルス感染症のまん延
2 法律家有志の6連続緊急提言―新型コロナウイルス感染症は「災害」
3 新型コロナウイルス感染症は「災害」か
4 新型インフルエンザ等対策特別措置法と災害法制
5 新型コロナウイルス感染症「対策禍」
第2章 新型コロナウイルス感染症とリーガル・ニーズ 動き出す法律家たち
1 新型コロナウイルス感染症のリーガル・ニーズを視覚化せよ
2 感染症まん延発生直後のリーガル・ニーズ
3 感染症による第1 波のリーガル・ニーズの総括
4 差別・誹謗中傷に関わるリーガル・ニーズ
5 女性・生活・しごと・子育てに関するリーガル・ニーズ
6 2年目のコロナ災害とリーガル・ニーズ
7 コロナ災害2年間のリーガル・ニーズの推移
第3章 感染症対策にも被災ローン減免制度を 被災ローン減免制度コロナ特則とガイドライン立法化提言
1 新型コロナウイルス感染症と個人ローン
2 新型コロナ特則誕生と自然災害債務整理ガイドライン運用の軌跡
3 自然災害債務整理ガイドライン「新型コロナ特則」の内容
4 同意しない債権者、消えない借金
5 コロナ特則運用改善と自然災害債務整理ガイドラインの法制化提言
第4章 新型コロナ関係給付金を差押えから保護せよ 特別定額給付金等を巡る諸課題
1 特別定額給付金にみる現金支援の重要性
2 特別定額給付金の差押禁止法
3 その後のコロナ関係給付金と差押禁止法
4 持続化給付金を巡る立法提言と司法判断
5 自治体のコロナ支援独自給付と差押え
6 DV・児童虐待等と世帯単位の呪縛
7 災害支援が活きた生活保護への対応
第5章 オンラインで契約紛争解決 弁護士会の新型コロナADR・ODR
1 新型コロナとADR―裁判外紛争解決手続の親和性
2 賃貸借契約に関する異例の政府指針
3 キャンセル紛争を巡る解決の難しさ
4 自然災害と災害ADR
5 新型コロナADRの登場
第6章 正しい情報と正しい判断で職員・顧客を守る 新型感染症対策とBCP・BCM
1 新型コロナウイルス感染症と事業者のリーガル・ニーズ
2 コロナ災害と事業継続「4 つの視点」
3 新型コロナウイルス感染症とBCP の新たな視点
第7章 新型コロナウイルス感染症に立ち向かう知識の備え あなたを助けるお金とくらしの話
1 新型コロナウイルス感染症まん延直後の情報発信
2 情報の洪水を整理するために
3 情報整理提供機能としての災害ケースマネジメント
第2部 異常気象と災害復興法学― DISASTERS
第1章 西日本豪雨とリーガル・ニーズ 豪雨災害の声を徹底分析
1 西日本豪雨(平成30年7月豪雨)と弁護士
2 西日本豪雨のリーガル・ニーズの分析経緯と概要
3 広島県のリーガル・ニーズ
4 岡山県のリーガル・ニーズ
5 愛媛県のリーガル・ニーズ
6 西日本豪雨と弁護士による支援活動
7 西日本豪雨と自然災害債務整理ガイドラインに残る課題
8 西日本豪雨と災害ADR の発展
9 西日本豪雨と公費による土砂撤去
10 西日本豪雨とみなし仮設住宅入居期限
11 西日本豪雨と災害復興住宅融資の延長
第2章 令和元年台風被害とリーガル・ニーズ 巨大台風襲来の大きな爪痕
1 令和元年東日本台風ほか一連の水害と弁護士
2 令和元年台風等のリーガル・ニーズの分析経緯と概要
3 千葉県のリーガル・ニーズ
4 長野県のリーガル・ニーズ
5 宮城県のリーガル・ニーズ
6 静岡県のリーガル・ニーズ
7 福島県のリーガル・ニーズ
8 東京都・埼玉県・茨城県・栃木県のリーガル・ニーズ
9 水害10か条と弁護士の存在感
10 風水害と近隣紛争解決の難しさ
11 特定非常災害特別措置法の適用に関する備忘録
第3章 義援金差押え禁止法恒久化 水害と感染症と恒久法への道のり
1 義援金は保護されていなかった
2 東日本大震災と初の義援金差押禁止臨時法[1度目]
3 熊本地震と義援金差押禁止臨時法[2度目]
4 自然災害債務整理ガイドラインで顕著となった義援金保護の必要性
5 西日本豪雨・大阪府北部地震と義援金差押禁止臨時法[3度目]
6 忘れられた風水害と北海道胆振東部地震
7 令和元年東日本台風と義援金差押禁止臨時法[4度目]
8 対象災害を巡る攻防と日弁連意見書
9 令和2年7月豪雨と義援金差押禁止臨時法[5度目]
10 義援金差押禁止法恒久法の成立[6度目の正直]
第4章 終らない半壊の涙・境界線の明暗 災害ケースマネジメントで申請主義の壁を乗り越えろ
1 罹災証明書の様式統一化
2 令和元年房総半島台風と災害救助法支援の拡充―準半壊の創設
3 被災者生活再建支援法の改正―分厚い壁に一筋の光
4 境界線の明暗はなくならない
5 半壊の涙は終らない
6 申請主義の壁
7 間口は広く、支援はきめ細かく―支援法のさらなる柔軟化を
8 行き詰る被災区分細分化―災害ケースマネジメントへ転換せよ
第5章 避難所TKBと感染症対策 災害救助法の柔軟運用と限界
1 災害救助法の適用が躊躇されるまさかの事態
2 災害救助法は「4号適用」を定着させよ
3 災害法制の適用と法律的思考力
4 繰り返される災害救助法運用の改善提言
5 応急修理制度にみる災害救助法の綻びと運用改善
6 避難所TKBの進展と新型コロナウイルス感染症
7 なぜ災害救助法の適用が重要なのか
第6章 続・続・個人情報は個人を救うためにある 災害と個人情報利活用
1 個人情報保護法制一元化への軌跡―2000個問題の解消
2 防災分野における個人情報の取扱いに関する指針
3 個人情報保護法制一元化と忘れられた災害対策基本法の改正
4 避難所における被災者支援と情報共有
5 安否不明者等の氏名公表・実名報道を巡る政策の軌跡
6 新型コロナウイルス感染症と個人情報保護法制への誤解
7 個人情報は個人を救うためにある
第7章 救えた命、失われゆく声 命を守る災害関連死データの集積と分析
1 救えたはずの命を守れ―災害関連死を巡る論点総ざらい
2 災害関連死とは何か
3 災害関連死事例の収集とデータ分析
4 災害弔慰金法と申請主義
5 死因究明等推進基本法や成育基本法のCDR施策を活かす
第8章 首都直下地震発生、東京から脱出せよ 東京「仮」住まい
1 仮設住宅が足りない!―首都直下地震や南海トラフ地震の試算
2 東京仮住まい―数百万人が疎開を余儀なくされる
3 かながわ仮住まい―住まいの再建に関する知識を普及せよ
4 帰宅困難者対策の更なる推進―外国人対応とDCP推進
第3部 分野を超越するこれからの災害復興法学 ― RESILIENCE FOR ALL HAZARDS
第1章 知識の常備薬をポケットに いつでも、どこででも、だれでも学べる社会教育としての災害復興法学
1 知識の備蓄―あなたに贈る『被災したあなたを助けるお金とくらしの話』
2 法科大学院アンケートと知識の備え―認知されていない支援制度
3 法学部アンケートと知識の備え―罹災証明書を私達はまだ知らない
4 『被災したあなたを助けるお金とくらしの話』を国民的教養に
第2章 知識を伝えるのはあなた 命を繋ぐ災害ソーシャルワークと災害復興法学
1 ソーシャルワーカーのための災害復興法学
2 社会福祉士・精神福祉士の養成と「災害復興のための制度と法」
3 DWATへの期待―ソーシャルワーカー災害専門研修の確立を目指す
第3章 その時メディアは何を伝えるか 被災者支援報道と災害復興法学
1 静岡新聞と静岡県弁護士会が切り開いた新境地
2 被災者支援報道提言―減災報道研究会からマスコミ倫理懇談会
3 NHK防災動画「被災に備える豆知識」
4 メディア必修の被災者支援報道研修プログラムを確立せよ
第4章 災害看護の力の源泉 健康支援・医療支援としての災害復興法学
1 災害看護と災害復興法学の連携
2 地域医療と災害復興法学の連携
3 災害歯科医学と災害復興法学の連携
第5章 会社は人でできている 組織のリスクマネジメントと災害復興法学
1 組織のレジリエンスと職員の生活再建
2 原子力災害拠点病院のBCP と内部リスクコミュニケーション
3 豪雨災害と被災病院に学ぶ職員を守る知恵
4 津波被災訴訟と学校防災
5 地域、企業、家族をつなぐ災害復興法学
第6章 災害法務の専門人材を創れ 公共政策学としての災害復興法学
1 法律的思考―災害復興でこそ試されるリーガル・マインド
2 被災者のリーガル・ニーズに応える行政であるために
3 行政機関内の法律的思考力の醸成と人材育成
第7章 災害復興法学が目指す生活復興基本法 被災者のリーガル・ニーズから基本法を創る
1 人間の復興―生活再建の達成
2 被災者のリーガル・ニーズを重視して制度を再構築する
3 先人が遺したもの、私たちが遺すもの
エピローグ 14歳のための災害復興法学
謝辞
参考文献一覧
索引
著者略歴
奥付