- 発売日
- 2020年06月19日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 佐久間大輔
労働災害が発生した場合、さらに裁判や臨検が行われた場合の対応といった「事後対応」と再発を防止し、企業のリスクを回避するための「予防管理」について解説しています。一連の主たるプレーヤーである人事労務担当者、管理監督者および産業医に求められる役割や対応は状況に応じて異なるため、それぞれの対応方法を具体的に解説しています。機械設備、墜落・転落、化学物質による事故から腰痛・上肢障害、高年齢者の労働災害、長時間労働やパワハラによるメンタルヘルス不調に至るまで、最新の法令、直近の裁判例を踏まえ紹介しています。
目次
表紙
はしがき
目次
第1章 労働災害による危険・健康障害防止のマネジメント
本章の趣旨
Ⅰ リスクマネジメント(広義)
1 クライシスマネジメントとリスクマネジメント(狭義)
2 使用者の義務
Ⅱ 労働災害発生時の対応
1 事故発生時の被災者の行動
2 救急処置
3 通報体制の確立
4 早期の事実調査
5 事故原因の分析と再発防止策の検討
6 労働基準監督署に対する事業者の対応
Ⅲ 労働安全衛生マネジメントシステム
1 OSHMSとは
2 事業者の安全衛生方針の表明と周知
3 PDCAサイクル
4 OSHMSを支える体制の整備
Ⅳ 機械設備による危険の防止マネジメント
1 安全衛生計画の策定
2 リスクアセスメント
3 安全衛生計画の実行
4 安全衛生計画の評価と改善
5 機械設備に関する安全配慮義務
Ⅴ 墜落・転落による危険の防止マネジメント
1 安衛法令と安全配慮義務
2 使用者の危険防止措置義務
3 人事労務担当者と管理監督者の対応
Ⅵ 化学物質による健康障害の防止マネジメント
1 リスクアセスメント
2 化学物質に関する安全配慮義務
Ⅶ 腰痛・上肢障害の防止マネジメント
1 腰痛や上肢障害の影響
2 業務負荷と腰痛等の因果関係
3 安全配慮義務
4 予防管理
5 人事労務担当者・管理監督者の対応
Ⅷ 高年齢者の労働災害リスクマネジメント
1 高年齢者雇用確保措置等
2 労働安全衛生マネジメントシステム
3 高年齢者や管理監督者に対する安全衛生教育
4 高年齢者に対する安全配慮義務
第2章 残業リスクマネジメント
本章の趣旨
Ⅰ 長時間労働をめぐる使用者のリスク
1 重点業種・職種
2 外部環境と内部環境のリスク
Ⅱ 事業主の臨検対応
1 長時間労働をめぐる刑事責任
2 労働時間の上限規制
3 法違反の処分への対応
Ⅲ 労働時間の実態把握
1 労働時間とは
2 労働時間状況把握義務
3 臨検・残業代請求を回避するための労働時間把握
4 損害賠償請求を回避するための労働時間把握
Ⅳ 残業リスクアセスメント
1 長時間労働とストレス反応との関係
2 トップマネジメントの方針表明
3 危険性の特定
4 リスクの見積り
5 リスクレベルによる低減措置
6 職場環境改善の方法
Ⅴ 長時間労働の是正マネジメント
1 残業時間が与える影響度
2 タイムカードの打刻記録の変化への対応
3 長時間労働となる要因の除去
4 長時間労働の是正措置
5 管理監督者による指導方法
6 休暇・休息時間の取得による疲労回復
Ⅵ 柔軟・多様な働き方と健康の保持増進
1 フレックスタイム制による柔軟な働き方
2 多様な働き方と健康確保措置
第3章 メンタルヘルス不調の防止マネジメント
本章の趣旨
Ⅰ 使用者が労働者側から請求されたときの対応
1 労働者や遺族が請求する背景
2 損害賠償請求を受けたときの使用者のリスク
3 使用者の対応方針
4 人事労務担当者の姿勢
5 労働者側からの請求対応における初動
6 労働者側からの請求対応における視点
7 労働者側の証拠収集の手段
8 労働者側からの請求への対応
Ⅱ メンタルヘルス不調の相談対応とトラブル防止
1 管理監督者と人事労務担当者の役割
2 メンタルヘルス不調発生時における管理監督者の対応
3 トラブル懸念時における人事労務担当者の対応
Ⅲ 業務上要因によるメンタルヘルス不調の対応
1 労働者の状況により変化する安全配慮義務
2 職場でのソーシャルサポート
Ⅳ 業務外要因が絡むメンタルヘルス不調への対応
1 対応の前提知識
2 産業医の対応
3 障害を有する労働者への対応
4 問題行動に対する人事労務担当者の対応
5 最終手段としての解雇
Ⅴ メンタルヘルス不調の発生防止マネジメント
1 メンタルヘルスケアと経営戦略
2 メンタルヘルス不調の発生防止義務(事前の義務)
3 労働安全衛生マネジメントシステム
4 OSHMSを支える体制の整備
5 心の健康づくり計画の作成
6 リスクアセスメントに基づく職場のリスク低減措置
7 リスクアセスメントに基づく個人のリスク低減措置
8 心の健康づくり計画の評価と改善
9 実効性担保のための施策
Ⅵ メンタルヘルス不調の増悪防止マネジメント
1 メンタルヘルス不調の増悪防止義務(事後の義務)
2 上司が部下の健康不安を抱いたときの対応
3 うつ病増悪後に配置転換をするときの対応
第4章 パワーハラスメントの防止マネジメント
本章の趣旨
Ⅰ パワーハラスメントの基礎知識
1 パワーハラスメント防止法制
2 パワーハラスメントの定義
3 事業主の雇用管理措置義務
4 管理監督者の加害行為
5 管理監督者の加害行為による使用者責任
6 使用者の安全配慮義務
Ⅱ 類型ごとのパワーハラスメントの違法性
1 精神的な攻撃
2 人間関係からの切り離し
3 過大な要求
4 過小な要求
5 個の侵害
Ⅲ パワーハラスメント発生時の対応
1 被害者への対応
2 行為者への対応
3 職場・同僚への対応
Ⅳ パワーハラスメント防止体制の整備
1 上司の不当な言動
2 パワーハラスメント防止の方針表明
3 予防管理
4 体制整備をすれば免責されるか
Ⅴ 管理監督者の教育
1 パワーとマネジメント
2 ラインによるケア
3 管理監督者と人事労務担当者の対応
4 職場環境改善やサポートをめぐる対応の要点
Ⅵ クレーム対応による健康リスクマネジメント
1 クレームを受けたときの対応
2 クレーム対応とストレス関連疾患との関連性
3 クレームと安全配慮義務
4 管理監督者の対応
5 人事労務担当者の対応
6 労働者がカスタマー・ハラスメントをしたとき
第5章 メンタルヘルス不調の人事対応マネジメント
本章の趣旨
Ⅰ 傷病休職の基礎知識
1 傷病休職の効果
2 契約変更場面でのトラブル
3 文書による労働条件変更の取決め
4 契約変更場面における労働者の同意
5 体制整備
Ⅱ 休職に至る前の就業上の措置
1 労働日・労働時間の変更
2 業務内容の変更
3 労務提供場所の変更
Ⅲ 傷病休職開始時の対応
1 休職命令権
2 就業規則の内容
3 休職の可否の判断
4 休職制度の説明
Ⅳ 休職期間中の対応
1 休職中の状況把握
2 休職中における主治医との連携
3 休職中の過ごし方
4 休職延長の診断書が提出されないときの対応
Ⅴ 主治医による職場復帰可能の判断
1 職場復帰に向けた準備
2 人事労務担当者・産業医の法的地位と主治医の役割
3 情報共有によるリスクの低減
4 主治医の確認事項
5 主治医と会社指定医との見解一致
Ⅵ 職場復帰の可否の判断
1 職場復帰の可否を判断する基準
2 職場復帰の可否を判断するに当たっての手続き
Ⅶ 職場復帰支援プランの作成
1 状況変化による対応策の変更
2 職場復帰支援プラン
3 段階的職場復帰
Ⅷ 最終的な職場復帰の決定
1 産業医等の意見聴取と主治医へのフィードバック
2 原職復帰
Ⅸ 職場復帰後のフォローアップ
1 職場復帰支援プランの実行
2 就業規則の内容
3 職場復帰における安全配慮義務
4 職場復帰後の時間外労働
Ⅹ 職場復帰時の労働条件変更
1 配置転換に関する産業医と人事労務担当者の対応
2 降格・減給に関する人事労務担当者の対応
Ⅺ 解雇
1 傷病による能力欠如
2 休職を経ない解雇
3 労働災害と解雇制限
第6章 産業医業務をめぐるリスクマネジメント
本章の趣旨
Ⅰ 産業医の法的地位と責任
1 産業医に内容証明郵便が届いたときの対応
2 労働災害の発生場面における使用者の損害賠償責任
3 産業医の法的地位と責任
Ⅱ 産業医のトラブル防止策
1 産業医が労働者から訴えられないようにするための対応
2 産業医が使用者から訴えられないようにするための対応
Ⅲ OSHMS における事業者と産業医の分担
1 組織における分業と調整
2 産業医の権限とその行使
3 衛生委員会
4 面接指導制度
第7章 健康情報保護マネジメント
本章の趣旨
Ⅰ 健康情報をめぐる法律知識
1 法体系
2 個人情報と健康情報
3 個人情報取扱事業者
4 健康情報の取得
5 健康情報の利用
6 第三者提供
Ⅱ 健康情報保護の体制整備
1 健康情報の適正な取扱いのための体制整備
2 健康情報取扱規程の策定
3 安全管理措置
Ⅲ ケース1:取得-採用面接時の調査
1 使用者の採用の自由
2 採用応募者の健康診断結果の取得
3 採用面接での調査対象
4 就業上の配慮が必要な場合
5 採用後の精神障害の発覚
Ⅳ ケース2:委託-嘱託産業医のストレスチェック実施
1 ストレスチェック実施に際しての個人情報の提供、結果の取得
2 産業医の対応
3 使用者の対応
Ⅴ ケース3:利用・取得-上司への伝達、指定医からの取得
1 人事労務担当者から管理監督者への伝達
2 指定医からの診療情報の取得
3 使用者による家族への状況報告
Ⅵ ケース4:取得-緊急時の家族からの取得
1 使用者による家族からの取得
2 本人の身柄を確保した後の対応
Ⅶ ケース5:第三者提供-緊急時の嘱託産業医による企業・医療機関への提供
1 嘱託産業医による家族からの取得
2 嘱託産業医による使用者への提供
3 嘱託産業医による医療機関への提供
Ⅷ ケース6:目的外利用-退職勧奨時の人事コンサルタントへの提供
1 目的外利用に関する例外
2 退職勧奨対象からの除外を目的とした提供
3 退職勧奨対象への選別を目的とした提供
あとがき
著者略歴
奥付