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外国判決の承認

発売日
2018年03月30日
出版社
慶應義塾大学出版会
編著等
芳賀 雅顯

判決の国際的調和とは何か。現行民事訴訟法118条は、明治23年民事訴訟法に淵源を有するが、基本的には大きな変更を受けずに現在に至っている。この条文は外国判決の承認に関する多くの論点についてどのように対処してきたのか。市民生活が急速に国際化し、私法上の法的紛争もまた国際化が著しい現在、外国判決承認制度の目的とは何なのか、判決の国際的調和とは何か。外国判決承認制度を私権実現の制度であると明確に意識しながら、その要件及び効果の側面から、また比較法的手法も用いながら、繊細かつ明確に解き明かす。

目次

表紙

はしがき

Vorwort

目次

第Ⅰ部 総論

第1章 序論

Ⅰ 外国判決と国際的な法的安定性

Ⅱ 本書における検討の基本的視点――主権の調整から私権の実現にむけた制度へ

Ⅲ 検討に際しての比較法上の対象

Ⅳ 本書の検討対象

第2章 わが国における外国判決承認制度の歴史的概観

Ⅰ はじめに

Ⅱ テヒョー草案

Ⅲ 明治23年民事訴訟法

Ⅳ 法典調査会第2部による民事訴訟法案

Ⅴ 大正15年改正

Ⅵ その後の展開

Ⅶ 本章のまとめ

第Ⅱ部 要件論

第1章 間接的一般管轄

第1節 外国判決承認要件としての国際裁判管轄――間接管轄の基本姿勢と鏡像理論をめぐって

第2節 米国判決の承認と国際裁判管轄――いわゆる不統一法国の間接管轄

第2章 送達

第1節 外国判決承認要件としての送達

第2節 渉外訴訟における付郵便送達の適法性――国際送達と手続保障:第1節の補足を兼ねて

第3章 公序

第1節 外国判決の承認と公序――名誉毀損に関する英国判決のアメリカ合衆国における承認をもとに

第2節 懲罰的損害賠償を命ずる外国判決の承認

第3節 国際民事訴訟における判決の抵触と公序――ドイツにおける議論を中心に

第4章 外国判決承認要件としての相互保証――その現代的意義

Ⅰ はじめに

Ⅱ 若干の比較法的考察

Ⅲ 日本における議論

Ⅳ まとめと検討

第Ⅲ部 効果論

第1章 外国判決の効力――総論的考察

Ⅰ 問題の所在

Ⅱ ドイツ法系における外国判決の効力論

Ⅲ 日本における外国判決の効力論

Ⅳ 検討

第2章 訴え却下判決の国際的効力――国際裁判管轄を否定した外国判決の効力をめぐって

Ⅰ はじめに

Ⅱ 2012年ヨーロッパ裁判所判決

Ⅲ ドイツにおける議論状況

Ⅳ 検討

Ⅴ まとめと展望

第2章 補論 訴え却下判決の既判力をめぐる国内訴訟法の議論との関係

第3章 執行判決訴訟の法的性質について

Ⅰ はじめに

Ⅱ 日本における議論

Ⅲ ドイツにおける議論

Ⅳ 検討

Ⅴ 結語

第Ⅳ部 法律要件的効力

外国での訴え提起と消滅時効の中断

Ⅰ 問題の所在

Ⅱ 若干の比較法的概観

Ⅲ 日本法の解釈

Ⅳ まとめ

第Ⅴ部 まとめ

初出一覧

事項索引

条文索引

判例索引

奥付

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