- 発売日
- 2020年01月30日
- 出版社
- 東洋経済新報社
- 編著等
- 紺野 登
イノベーションは、かつては、たまに起きる技術革新といった捉え方をされていたが、今日の経営にとっては、もはやイノベーションこそが中心的な活動であり、誰もが取り組む必要に迫られている。しかし、イノベーションについての議論は数多く、現場でも何とかしなければと迫られているが、どれを選んだらよいかもわかりにくく、なかなか実践と手応えを感じることができていない。
目次
表紙
本扉
はじめに
目次
序章 ビュリダンのロバ
01 ビュリダンのロバの寓話
02 自由意志か、思考停止か?
03 未来は誰のものか?
04 ロバは0.2 秒の間に地面を蹴って歩み出す
c o l u m n 場所的知性
第1章 この世界のイノベーション
01 創造的破壊から創造的進化へ
02 恐怖訴求のパラドックスから抜け出せ
03 進歩(プログレス)という呪縛
04 迷ってはいけない
05なぜイノベーションが必要なのか?
06 VUCA──変化がコントロールできない世界を生きる
07 環境革命がもたらす意識革命を意識せよ
08 環境革命の波
09 「グーグル後」の時代をイメージせよ
c o l u m n 人間性を回復しよう
10 思い込みを問い直せ
11 実はまだイノベーションは起きていない
12 歴史的視座で見よ── ラクダと人類のイノベーション
13 草の根の力こそ変化の源泉
14 人間は死に向かう存在である
15 自らの存在意義を問い直せ
16 「イノベーション社会」の到来
17 リーダーシップモデルの終焉?
18 三層構造でイノベーションを捉えよう
第2章 野生の視点を回復しよう
01 「視点(パースペクティブ)」を革新せよ
02 イノベーション近視眼に陥るな
03 ネクサス(関係性、結びつき)で世界を見よ
04 「離見の見」── 能に学ぶ
05 『野生の思考』の眼を回復せよ
06 日本人には日本人のことがわからない?
07 アスペクト盲
08 「スーパースターばかり集めたチーム」はうまくいかない
09 クリステンセンからの警告
10 突然死する産業や業界
11 矛盾を許容する「イノベーション経営」の時代
c o l u m n イノベーション・マネジメントシステム「ISO56002」
12 イノベーションはビッグピクチャーから始まる
13 人間や社会に目を向ける
第3章 人間のイノベーションのレシピ
01 イノベーションとダイエットには共通点がある
02 イノベーションの敵は「心のカベ」
03 なぜ良いとわかっているのにできないのか
04 行動習慣を変えられるか
05 「正論」を説くリーダーシップ教育は役に立たない
06 最大の挑戦は新しい観点(POV)の獲得
07 イノベーションは試行錯誤という仕事である
08 人間へのまなざし
c o l u m n アントレプレナーの思考
09 イノベーションのトライポッド
10 脳の奥底にいる「主人」を動かせ
11 イノベーションはあなたの脳だけからは生まれない
12 「人間のイノベーション」に向けて
13 ジャーナリングを始めよう
第4章 目的を生み出す
01 何のためかを問い直せ
02 目的なき利益追求は誰も喜ばない
03 目的はブランド力の根底である
04 イノベーションのサイクルと目的
05 意識の高い資本主義とは
06 目的の喪失を嘆くシリコンバレー?
07 ただ目的を唱えればよいわけではない
08 目的と目標は似て非なるもの
09 目的で行動をデザインする
10 SDGs で生き残れない企業とは?
11 優れた技術があっても成功しない
12 社会に受け入れられなければイノベーションではない
13 オープン・イノベーションと目的
14 「目的工学」を実践せよ
15 目的は階層構造で考えよ
16 なぜ新興国市場で目的が重要なのか?
17 ビジネスモデルは目的で進化する
18 目的の自覚が実践の出発点
19 「筋のいい」目的、技術を見出そう
20 実践的推論を身につけよ
21 手段から目的を探索する実践的三段論法
22 説得は目的と理想のために捧げられる
第5章 共感を生み出す
01 共感力が死んだ20 世紀
02 ドクサに根拠なし
03 感情的資質が欠如していないか?
04 顧客の感覚とのズレは致命傷
05 イノベーションは共感に向かっている
06 意味の意味を考える
07 知識社会とデザインの蜜月
08 デザイン思考のプロセスを追ってもイノベーションは起きない?
09 デザイン思考のプロセスは知識創造
10 強い共感から生まれるものをつかめ
11 エスノグラフィーとデザイン思考の出会い
12 コンパッション・思いやる心
13 マインドフルネスと共感脳
c o l u m n 共感のイノベーション──「エンブレイス」の事例
14 誰のために、を問うビジネスモデル
15 ビジネスモデル・キャンバス──ビジネスモデルをデザインする
16 ビジネスモデルは生きている
c o l u m n 多彩なビジネスモデル
17 共感力のためのツール
18 デザインの経済的効用に目を向けよ
19 生きたアイディアを生み出すアート
20 デザイン資源を活用する経営
21 デザイン思考は世界を変えたのか?
22 「本当のデザイン」を軽視してはならない
23 Design = de + sign──記号論的デザインアプローチ
24 では、人間のことしか考えていないのか?
第6章 場を生み出す
01 世界各地で立ち上がる地域イノベーションの場
c o l u m n 「イノベーション・アフリカ」のシナリオ
02 地域活力とスタートアップ
03 「市場」に代わるエコシステムとプラットフォーム
04 なぜ「場」は力を生み出すのか
05 「場」の中に意味が潜んでいる
06 ワークショップからイノベーションは生まれない
c o l u m n 「場」から出現する知
07 自律的プロジェクト型組織へ
08 市場・社会の暗黙知を発見せよ
09 目的と共感を結びつける場
10 ヘクシスを変える
11 共感が育まれるワークプレイス
12 大企業は「場」の質的変換を!
13 イノベーションの「母胎」はどこにある?
14 場のポートフォリオを運用する
15 創造拠点を確保せよ
16 人が集まるイノベーションを!
17 実験主義の組織を創る
18 場から変化を生み出す「質的研究方法論」
19 外に出てイノベーションのタネを集めよ
第7章 世界を創る
01 「世界を創る」術
02 物語(ストーリー)と物語り(ナラティブ)
03 21 世紀は「長い物語り」で考える
04 1 万年のナラティビティ
05 シナリオプランニング再訪
06 「シナリオ的思考」のエッセンス
07 シナリオの演繹的なアプローチと帰納的なアプローチ
08 対話の場で変化を生み出せ
09 人間の協業がつくる新しい経済
10 グローバルなイノベーション世代の波
11 Z 世代の台頭
12 「個」が活かされる社会
13 若者の活きる場所をつくろう
14 20 代の構想が世界を創ってきた
15 10 代の地球起業家
16 エシカルインダストリーの出現
17 イノベーションの方法としての「変化の法則」
おわりに 人間のイノベーションの知識生態学
推薦の言葉
注
参考文献
索引
奥付