- 発売日
- 2023年04月25日
- 出版社
- 法律文化社
- 編著等
- 小林真紀、蛯原健介、菅原真
フランス憲法を現代社会のダイナミズムの中で解説する入門書。第1部でフランス憲法の骨組みを解説し、第2部で法文化や人権問題を論じる。第2部では、移民やコロナ禍など現に起こっている問題の概況と、それに対処しようと四苦八苦するフランス社会を詳説。
目次
表紙
目次
序論
1 本書の目的
2 本書の構成
第1部 フランスの憲法制度
第1章 フランス憲法の歴史
1 はじめに
2 フランク王国の建設から1789年まで
3 1791年憲法と1793年憲法
4 1795年憲法から第一帝政まで
5 王政復古からパリ・コミューンまで
6 第三共和制憲法と第四共和制憲法
7 おわりに:第五共和制憲法の成立
第2章 フランスの統治機構
1 はじめに
2 大統領
3 政府
4 国会
5 政府と国会の関係
6 経済社会環境評議会
7 権利擁護官
8 地方自治
9 憲法改正
10 おわりに
第3章 フランスの裁判制度
1 はじめに
2 二元的裁判制度
3 憲法院
4 おわりに
コラム フランスの法曹―裁判官,検察官,弁護士の養成
第4章 ヨーロッパ法とフランス法
1 はじめに
2 ヨーロッパ法とは何か
3 フランス法秩序におけるヨーロッパ法の受容
4 おわりに
第2部 現代フランスの人権問題と法文化
第1章 フランスにおける人権保障の特徴
1 はじめに
2 フランスの伝統的な人権保障のあり方
3 法律に対する人権保障:「基本権」
4 フランスにおける憲法上の人権の内容
5 おわりに
第2章 男女平等とパリテ
1 はじめに
2 フランスにおける「男女」「平等」?
3 クォータ制導入の試みとその挫折
4 「クォータ制」から「パリテ」へ
5 1999年7月8日の憲法改正
6 パリテの内容
7 おわりに
第3章 移民政策と外国人の地位
1 はじめに
2 フランスにおける移民政策の変遷
3 1993年8月12日・13日の憲法院判決と「外国人の憲法上の地位(statut constitutionnel des étrangers)」
4 21世紀以降のフランスにおける移民をめぐる諸問題
5 おわりに
第4章 性的少数者と同性婚
1 はじめに:フランス,世界で14番目に同性婚法制化
2 性的少数者差別解消への道のり
3 パックス:婚姻とは違う,新しいカップルのかたち
4 そして同性婚法制化へ
5 「同性婚法制化」以後と今後の課題
6 おわりに:「差別禁止」どころか「理解増進」さえままならない日本
第5章 生命倫理と法的枠組み―生命の始期と終期をめぐる問題―
1 はじめに
2 生命倫理の基本原則
3 生命の始期および終期に関わる法的枠組み
4 おわりに
第6章 環境問題と環境法・環境権
1 はじめに:「マクロンを外せ」
2 フランスにおける環境法の誕生と発展
3 環境法・環境権の憲法化と法典化
4 国際法とEU法の影響
5 フランス環境法の主要原則
6 おわりに:「第三世代の人権」のこれから
第7章 ライシテと宗教的自由
1 はじめに
2 フランスとカトリック教会
3 共和国の基本原理としてのライシテ
4 ライシテとイスラーム
5 おわりに
第8章 政治的表現の自由とデモ・ストライキ
1 はじめに:「夜は愛し合う時間」
2 フランスにおけるデモの自由
3 フランスにおけるストライキ権
4 おわりに:日本における「デモ」「ストライキ」のイメージと今後
第9章 食文化と公権力―ワインの原産地呼称を中心に―
1 はじめに
2 大革命以前のワイン法
3 法律によるワインの定義
4 原産地とは何か
5 原産地と品質の保証
6 おわりに
第10章 新型コロナウイルス対策と人権
1 はじめに
2 フランスの緊急事態法制
3 コロナ禍の緊急事態法制の内容
4 問題となった自由
5 おわりに
フランス憲法関連資料
人および市民の権利宣言(1789年8月26日)
第四共和制憲法(1946年10月27日)前文
第五共和制憲法(1958年10月4日)
環境憲章(2004年6月24日)
あとがき
索引
執筆者紹介
奥付