- 発売日
- 2024年02月01日
- 出版社
- 勁草書房
- 編著等
- 上野達弘、奥邨弘司
高機能生成AIの登場により、AIをめぐる著作権制度の在り方には、かつてないほど大きな注目が集まっている。権利者側からは法規制の見直しが叫ばれ、政府も各種対応に追われるなど、一種の社会的な混乱が生じているなかで、どこまでコンセンサスが得られ、どこから先に議論の余地があるのか、珠玉の論攷と座談会を通じて徹底分析。
目次
表紙
はしがき
目次
Part I 序論
第1章 「AI と著作権」の過去・現在・未来 上野達弘
1 AIとは
2 AIと著作権をめぐる諸論点
3 展望――生成AIブーム?
Part Ⅱ AIによる学習の侵害成否
第2章 日本法における権利制限――著作権法30条の4を中心に 愛知靖之
1 はじめに
2 30条の4と旧47条の7との比較
3 享受目的を併有する情報解析?
4 30条の4柱書但書
5 おわりに
第3章 諸外国における情報解析規定と日本法 上野達弘
1 英国
2 欧州指令
3 スイス
4 シンガポール
5 検討
第4章 アメリカにおけるフェア・ユース該当性 奥邨弘司
1 機械学習とフェア・ユース
2 フェア・ユースの概要
3 変容力のある利用
4 機械学習のフェア・ユース該当性の検討
5 関連する訴訟の概要と現状
6 補足
Part Ⅲ AIによる生成の侵害成否
第5章 依拠・類似 奧邨弘司
1 依拠が問題となる状況
2 依拠に関する従来の議論
3 依拠に関する検討
4 類似について
第6章 行為主体と準拠法 横山久芳
1 はじめに
2 行為主体
3 準拠法
Part Ⅳ AI生成物の著作権保護
第7章 AI生成物の著作物性 前田 健
1 はじめに
2 著作物性の判断基準
3 AI生成物が著作物と認められる場合
4 AI生成物の著作者
5 立法論――AI生成物保護の将来
6 おわりに
第8章 イギリスの著作権法におけるコンピュータ生成物の保護 今村哲也
1 はじめに
2 創作者主義の原則に対する特殊な状況
3 コンピュータ生成著作物の保護内容
4 Nova Productions Ltd v Mazooma Games Ltd 事件
5 学説の状況
6 知的財産庁のコンサルテーション(2021年)
7 類似の制度を有する法域
8 おわりに
Part Ⅴ 座談会 参加者(※五十音順):今村哲也・上野達弘・愛知靖之・奥邨弘司・谷川和幸・前田健・横山久芳
Ⅰ AIによる学習の侵害成否
30条の4第2号にいう「情報解析」と非享受利用
30条の4柱書但書
ライセンスビジネスを展開している場合
47条の5の適用可能性
情報解析を禁じる契約の有効性
30条の4改正の余地,立法論など
Ⅱ AIによる生成の侵害成否
依拠性
類似性
レコードの情報解析
行為主体
適用地・行為地
Ⅲ AI生成物の著作権保護
解釈論
立法論
事項索引
編者・執筆者紹介
奥付