BUSINESS LAWYERS LIBRARY

製造物責任法の論点と解釈

発売日
2021年11月25日
出版社
慶應義塾大学出版会
編著等
平野 裕之

何が「欠陥」か? 何を「証明」すべきか? 制定施行から25年を超える製造物責任法。蓄積された裁判例を法の中核的要件である「欠陥」の法的意義、その証明問題に絞り、平野教授が徹底的に分析、解説する。300を超える判例を分析した、実務家・企業担当者・消費者団体をはじめ、製造物の実務・法務にかかわる全ての人に向けた必読参考書!

目次

表紙

はしがき

凡例

目次

序章

(1)製造物責任法制定の意義――無過失責任(欠陥責任)の導入

(a)無過失責任(欠陥責任)の導入

(b)無過失責任(欠陥責任)とされたことの意義

(2)「欠陥」という要件は過失に代わる要件なのか?

(a)過失責任から欠陥責任へ?

(b)欠陥の不法行為論における位置付け――違法性としての製品の安全確保義務違反

(c)欠陥の違法性要件としての再構成――製造販売が許される製品かどうかのメルクマール

(d)3つの欠陥類型と義務違反

(e)欠陥及び欠陥との因果関係の証明責任

(3)本書の構成

第1章 欠陥をめぐる裁判例の概説

1 欠陥をめぐる裁判例1――食品

(1)欠陥が認められた事例1

(2)欠陥が認められなかった事例

2 欠陥をめぐる裁判例2――医薬品について

(1)欠陥を認めた事例2

(2)欠陥が認められなかった事例

3 欠陥をめぐる裁判例3――自動車、バイク、フォークリフトなど

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例

4 欠陥をめぐる裁判例4――家電など

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例

5 欠陥をめぐる裁判例5――自転車などについて

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例――設計上の欠陥

6 欠陥をめぐる裁判例6――工場用機械などについて

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例

7 欠陥をめぐる裁判例7――その他の機械・器具について

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例

8 欠陥をめぐる裁判例8――化学物質、化粧品などについて

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例

9 欠陥をめぐる裁判例9――その他の製品について

(1)欠陥が認められた事例

(2)欠陥が認められなかった事例

第2章 欠陥の意義と分析

Ⅰ 総論的考察――違法性要件としての「欠陥」

1 製造物責任における違法性と過失

2 「欠陥」判断について

Ⅱ 欠陥をめぐる裁判例の整理・分析

1 設計上の欠陥または製造上の欠陥肯定事例――過失相殺事例も含めて

2 指示・警告上の欠陥の事例

3 過失相殺・素因減額がされた事例――過失相殺・素因減額が争われた事例

4 欠陥が否定された事例

Ⅲ 欠陥の意義とその分析

1 製造物責任法における「欠陥」の定義規定の導入

2 製造物責任法の「欠陥」の分類及び判断基準

3 欠陥判断における考慮事由

4 過失相殺について

5 欠陥判断についての本書の立場のまとめ

第3章 欠陥及び因果関係の証明についての裁判例

Ⅰ 総論的考察

1 欠陥と証明責任――欠陥は法的評価でありその法的評価を基礎付ける事実が証明の対象

2 公害または医療過誤関係の参考となる判例

Ⅱ 製造物責任法制定後の欠陥及び因果関係の証明をめぐる裁判例

【表3 - 2 】

A 製品からの出火が問題になった事例

B 製品による低温火傷が問題になった事例

C 製品の亀裂、切断等による事故

D その他の事故

第4章 欠陥及び因果関係の証明についての考察

Ⅰ 欠陥及び因果関係の証明についての判例の一般論

1 証明度についての一般論――高度の蓋然性の証明ということを維持

2 欠陥の証明についての総論的考察

Ⅱ 判例を参考とした各論的分析

1 火災事例について1――家電など

2 火災事例について2――自動車など

3 火災事例について3――工場用機械

4 火災事例について4+低温火傷事例――ガス用品、ストーブなど

5 製品の亀裂、切断等による事故

6 家庭用品など

7 化学的作用が問題となった事例――因果関係が問題となる

8 食品の欠陥が問題となった事例――因果関係が問題となる

Ⅲ 欠陥またその出荷時の存在、欠陥と被害との因果関係の証明についての検討

1 判例の分析と本書の立場

2 判例規範の具体的運用指針1――欠陥の証明1(製品起因性の証明)

3 判例規範の具体的運用指針2――欠陥の証明2(通常使用・耐用期間内における被害の証明)

4 判例規範の具体的運用指針3――出荷時における欠陥の存在の証明

5 判例規範の具体的運用指針4――欠陥との因果関係

Ⅳ 本書の立場と立法論について

1 判例を基本的に承認

2 欠陥をめぐる3つの証明

3 証明責任についての立法は必要か

結章

(1)欠陥の理解

(a)違法性要件としての「欠陥」は義務違反

(b)通常有すべき安全性を欠いた製品の製造販売の禁止

(2)欠陥をめぐる証明責任

(a)規範的要件としての欠陥と欠陥の証明

(b)製品起因性による欠陥の事実上の推定

(c)欠陥の証明対象の解明度

(3)欠陥の存在時期・老朽化及び因果関係の証明

(a)欠陥の存在時期

(b)性質上避けられない劣化・老朽化

(c)欠陥と被害との因果関係

(4)立法論として欠陥の推定規定は必要か

事項索引

判例索引

奥付

BUSINESS LAWYERS LIBRARYに登録すると
3,000冊以上の本を読むことができます。

10日間無料
お試しいただけます。

法人利用のお問い合わせ

閉じる