BUSINESS LAWYERS LIBRARY

ジェンダー平等社会の実現へ

発売日
2023年02月05日
出版社
日本評論社
編著等
杉井静子

なぜ夫婦は同姓でなければならないのか?「家」制度から社会の仕組みに内包するジェンダー不平等を明らかにし、憲法を手がかりに解決を探る。

目次

表紙

目次

はじめに

第1章 「家族」とは何か「家」制度とは何か

1 家族とは何か

(1) 家族の多様性

(2) 「家族」のあり方まで法律で決められる?

2 「家」制度は戦前の民法で規定された「家族共同体」

(1) 明治民法とは

(2) 「戸籍」の由来

(3) 明治民法上の「家族」

(4) 「戸主」の絶大な権限

(5) 婚姻は「家」と「家」の結びつき

(6) 夫と妻も支配服従関係

3 「家」制度がもつイデオロギー

(1) 絶対的天皇制と対のもの

(2) 「家」制度を支える意識

(3) 家族国家のイデオロギー

4 現憲法の制定と民法改正―「家」制度の廃止

(1) 憲法の規定と抵抗勢力とのせめぎあい

(2) 個人の尊厳と「家」制度

(3) 不十分な点が残った民法改正

コラム1 樋口一葉の小説から

コラム2 弁護士法の改正裏話「妻ナルモ妨ゲズ」

コラム3 女性の権利向上を訴えただけで実刑判決!

第2章 「家族」と「戸籍」と「氏」

1 「家」は廃止されたが「氏」は残った

2 戸籍とは何か

(1) 戸籍とは?

(2) 戸籍と国籍

(3) 戸籍がないということ

(4) 今でもある「無戸籍者(児)」のケース

3 改めて「家」制度下の「戸籍」と「氏」を考える

(1) 「家」と「氏」そして戸籍は一体のもの

(2) 「家」制度下の「氏」の法的性格―「家」の呼称

4 戦後改正民法(現行民法)下の戸籍

(1) 夫婦と未婚の子の戸籍

(2) なぜ「家族単位」の戸籍が残ったのか

(3) 離婚に際しての親権と親子の氏

(4) 死別した夫の親との姻族関係と氏

(5) 「家名」としての氏こそは「家」制度の名残り

5 戸籍と氏の乖離の現実

(1) 離婚の際の夫婦の氏と子の氏

(2) 「同氏」であっても子の氏の変更をする場合

(3) 養子縁組によっても氏が変わらない場合

(4) 再婚の場合の子の戸籍と氏

(5) 「世帯単位」のルーツと戸籍

(6) 外国人との婚姻と戸籍(夫婦同氏の例外)

(7) 夫婦別姓と戸籍

第3章 性的自己決定権とジェンダー

1 自由な恋愛と結婚

(1) 「家」制度下の恋愛結婚

(2) 現代の結婚と夫婦関係

2 女性への暴力の根っこにあるもの―「家」制度の残滓

(1) 「家」制度下の男女の性関係(支配と従属)

(2) 「家」制度下の妻の性的自由をしばる刑事罰

3 性の売買の歴史と公娼制度

(1) 自営業者だった「遊女」

(2) 芸娼妓解放令と抜け穴

(3) 近代公娼制度の展開

(4) 娼妓たちの苦しみとたたかい、廃娼運動

(5) 戦後も引き継がれた公娼制度

(6) 良妻賢母教育と性のダブルスタンダード

4 女のからだは女のもの

(1) 妊娠中絶をめぐって

(2) 産む権利と産まない権利

(3) リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(リプロ)

(4) 女性への暴力撤廃の国際的流れ

(5) 刑法性犯罪規定の改正問題

5 今後の性教育

(1) 家庭科の男女共修運動とその成果

(2) 性教育の国際的スタンダード―包括的性教育

6 性暴力のない社会を目指して

① フラワーデモの広がり

② 男性たちの運動

コラム1 石牟礼道子さんの述懐

コラム2 韓国人「慰安婦」への賠償を命じる判決

コラム3 「見合い結婚」とは何か?

第4章 今でもあるジェンダー差別と先輩たちの取組み

1 ジェンダー意識の今

(1) 今でもある女人禁制と女性蔑視

(2) ジェンダーについての国民意識の今とその問い直し

(3) 同性婚について

2 各界の女性の活躍とまだある差別

(1) スポーツと女性差別

(2) マスメディアの世界で

(3) 映画監督など

(4) 女性医師の今―医学部入試の女性差別

(5) 司法分野における女性

3 女性が働きつづけるためにたたかった先輩たち

(1) 定年での差別など

(2) 働く女性の今(概観)

4 賃金差別を是正させるたたかい

(1) 裁判闘争など

(2) 男女賃金差別の原因はどこに?

5 世帯単位の各種制度

(1) 税制

(2) 健康保険制度等での世帯単位の優遇

コラム1 世帯主とは?

コラム2 国際男性デーとは

第5章 今後の課題―憲法をよく読み、活かす運動を

1 「家族の絆」の強調の先にあるもの―改憲派の家族像

(1) 改憲派はなぜ夫婦別姓に反対するのか

(2) 自民党の改憲草案は?―戦前の「家族国家」観と類似

2 改めてジェンダー平等にかかわる憲法を検討する

(1) 個人の尊厳(尊重)と性別による差別の禁止

(2) 憲法が二四条を設けた意義

(3) 二四条の社会権的側面と現代的意義

(4) 憲法を活かすには―おかしいと思ったら声をあげる

3 今後の課題―民主主義の十分条件をつくろう

(1) 女性参政権(選挙権)は民主主義の十分条件か?

(2) 今こそ政治の場でのクオータ制の実現を!

(3) 指導的地位に占める女性の割合と積極的是正措置

(4) 積極的是正措置(アファーマティブ・アクションまたはポジティブ・アクション)の必要性

(5) ケア労働の重要性と公的整備の必要性

(6) 労働時間とジェンダー平等

(7) ハラスメント対策

(8) 求められる女性差別撤廃条約選択議定書の批准

4 平和主義とジェンダー平等の関係

あとがき

奥付

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