BUSINESS LAWYERS LIBRARY

憲法の理性 増補新装版

発売日
2016年04月11日
出版社
東京大学出版会
編著等
長谷部 恭男

立憲主義の本質に鋭く迫る名著の増補新装版。平和や人権、民主主義のあり方など、さまざまなテーマを深く広く考察し、憲法の主要問題に確かな視座を提供する。昨今の政治情勢を踏まえ立憲主義が大きく注目されるなか、書き下ろし「攻撃される日本の立憲主義」を含む三論考を新たに収録。

目次

表紙

はしがき

目次

第I部 立憲主義と平和主義

第1章 平和主義と立憲主義

1 明文解釈

2 チキン・ゲーム,そして「戦争=地獄」理論

3 群民蜂起と非暴力不服従

4 「善き生き方」としての絶対平和主義

5 「世界警察」,そして「帝国」

6 平和的手段による紛争解決

7 実力による平和維持の影と憲法第9条

第2章 「国内の平和」と「国際の平和」一ホッブズを読むルソー

1 ホッブズの戦争と平和

2 自然状態

3 戦争と戦争状態

4 ルソーの解決策 その一:人民武装

5 ルソーの解決策 その二:国家同盟

6 ルソーの解決策 その三:社会契約の解消

7 むすび

第3章 国家の暴力,抵抗の暴力一ジョン・ロックの場合

1 はじめに

2 国家権力の由来とその範囲

3 抵抗権はなぜ不断の争乱をもたらさないか?

4 「天への訴え」と神の審判

5 社会学的説明:人民の服従と「調整問題」

6 通常の政治過程への信頼度

7 ロック抵抗権論の限界と可能性

第4章 冷戦の終結と憲法の変動

1 はじめに

2 ルソーの戦争状態論

3 三種の国民国家

4 立憲主義と冷戦後の世界

5 日本の現況と課題

第Ⅱ部 人権と個人

第5章 国家権力の限界と人権

1 従来の学説とその限界

2 公共の福祉

3 人権の限界

4 憲法12条, 13条の構造

5 むすび

第6章 芦部信喜教授の人権論一放送制度論を手掛かりとして

1 「報告書」の議論

2 芦部教授の放送制度論

3 「切り札としての人権」論の危険性?

4 「切り札としての人権」論の無用性?

第7章 「公共の福祉」と「切り札」としての人権

1 はじめに

2 高橋和之教授の批判

3 自由権と「単なる自由」

4 表向きの理由と真の理由

5 公共の福祉にもとづく権利

6 市川正人教授,青柳幸一教授の批判

第8章 「外国人の人権」に関する覚書一普遍性と特殊性の間

1 安念教授のパラドックス

2 相互扶助組織としての国家

3 特別な関係を構成する「より根底的な理由」

4 調整問題を解決する標識としての国籍

5 何が「許容」されているか

第9章 「国家による自由」

1 「国家からの自由」に付随する「国家による自由」

2 防御線:国家が保護する一般的自由も

3「防御線」の設営義務

4 制度設営義務と対応する権利

5 最高裁判例の示す例

6 公共財の提供義務

7 むすび

第10章 私事としての教育と教育の公共性

1 はじめに

2 フランスの公教育

3 価値の市場の自律性

4 学校選択の自由とバウチャー制

5 多元的自由主義と学校での信教の自由

6 教師の教育の自由と学校の自律性

7 共和主義と政教分離・信教の自由

第11章 憲法学から見た生命倫理

1 憲法で尊重される「個人」とは何か?

2 古典的事例ー安楽死への権利

3 「自分の身体の所有権」?

4 なぜ身体は収用できないのか

5 学問の自由

6 科学者の責任

第Ⅲ部 立法過程と法の解釈

第12章 討議民主主義とその敵対者たち

1 シュミット,ケルゼン,宮沢俊義

2 図式的整理

3 民主主義と客観的真理の整合性

4 現代の議会制民主主義

5 民主主義の自己目的化?

6 むすび

第13章 なぜ多数決か?ーその根拠と限界集

1 自己決定の最大化

2 幸福の最大化

3 公平中立で応答的な手続

4 コンドルセの定理

5 現代の議会制民主主義

6 むすび

第14章 司法の積極主義と消極主義ー「第1篇第7節ゲーム」に関する覚書

1 記述的概念としての「司法積極主義」と「司法消極主義」

2 「第1篇第7節ゲーム」

3 ゲームの含意

4 むすび

第15章 法源・解釈・法命題ーHow to return from the interpretive turn

1 法実証主義

2 「正解テーゼ」と「解釈的転回」

3 すべては解釈である

4 解釈的転回の問題点

5 法実証主義に回帰できるか

6 法命題はいかなる場合に適切か

7 いくつかの帰結

8 これでよいのか

補章I 攻撃される日本の立憲主義ー安保関連法制の問題性

1 はじめに

2 安保関連法制の合理性・必要性の欠如

3 法とは何か,解釈とは何か

4 近代立憲主義とは何か

5「法の支配」の問題なのか

6 実践理性へ戻れ

補章Ⅱ 藤田宙靖教授の「覚え書き」について

補章Ⅲ 「義務なき働き」について

初出一覧

索引

奥付

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