導入事例

翻訳時間が3日から4時間に短縮、全社導入で想像を超える効果を実感 - 日本たばこ産業

日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部 事業企画室 部長 佐々木秀哉氏 日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部 IT部 磯野伸幸氏

世界130以上の国と地域でたばこ事業を展開し、世界第3位のたばこ会社として知られる日本たばこ産業(JT)。海外拠点やグループ会社を数多く抱え、医薬品や加工食品の分野などにも事業を拡大している。

そのなかで日々発生するのが、契約書や企画書、プレスリリースをはじめとする様々なドキュメントの翻訳業務だ。今回は、たばこ事業本部 事業企画室部長の佐々木秀哉氏とIT部の磯野伸幸氏に、「AI翻訳サービス」の導入の経緯と効果について伺った。

「口コミ」から全社導入へ、セキュリティ面も個別にクリア

佐々木様が所属されているたばこ事業本部 事業企画室の役割と佐々木様の業務についてお聞かせください。

佐々木氏

たばこ事業では、虎ノ門本社のほかジュネーブに海外統括子会社があります。事業企画室の主な役割は、国内たばこ事業・海外たばこ事業の管理です。ジュネーブからは、日々レポートや事業実績が本社に集まり、重要な意思決定事項は事業企画室から経営に諮ります。私自身は国内たばこ事業の法務・商標、サステナビリティ、人事を担当しています。

翻訳業務はどのような場面で発生するのでしょうか。

佐々木氏

最もわかりやすい例は法務ですね。知的財産・特許関係の文書を海外とやり取りする場合に翻訳業務が発生しますし、海外企業に製造委託している場合もありますので、その際に契約書をチェックする必要があります。

また、R&D(研究開発)の主要機能が日本にあり、近年はリスク低減製品と呼ばれるプルーム・テックなどの新しいタイプの商品もあるため、開発情報の海外子会社とのやり取りも増えています。

翻訳業務のボリュームが増えていくなかで、2018年7月に「AI翻訳サービス」を導入されました。導入にあたってはどのような背景があったのでしょうか。

佐々木氏

翻訳で困っていた法務担当者が弁護士の先生から情報提供を受けて、「試してみたい」ということから検討がスタートしました。たばこ事業本部の部長ミーティングで話をしてみたところ、あちこちから手が上がり、それならばとIR広報などコーポレート部門も巻き込んでいきました。

日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部 事業企画室 部長 佐々木秀哉氏

日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部 事業企画室 部長 佐々木秀哉氏

IT部の磯野様はどのタイミングから関わられたのでしょうか。

磯野氏

事業企画室から話が持ち込まれ、法務を中心に各部署の代表者がトライアル利用しました。結果的に「AI翻訳サービス」は、専門用語の翻訳精度が抜きん出ていました。グルーピングや管理運用がしやすく、課金方式がシンプルであるといった理由でも評判がよかったです。次のフェーズへ進み、IT部では本格導入に向けてセキュリティ面をチェックしていきました。

具体的にどのようなセキュリティチェックを行ったのでしょうか。

磯野氏

まず要件として必須だったオプトアウト1です。この課題に対応してもらえたことで、機密系の案件を扱えるようになりました。それ以外にもIPアドレス制限や外部監査の条件、データの暗号化、サーバの接続方式など、多くのセキュリティ面をクリアしました。

現在、たばこ事業本部以外の医薬、加工食品事業でも「AI翻訳サービス」をご利用いただいています。各部門からも課題の声は届いていたのでしょうか。

磯野氏

他の部門でも同様に、翻訳業務に課題を抱えていました。そこで導入後に社内イントラから情報発信し、事業企画室のなかでも特にセキュリティレベルの高い法務で使っているというお墨付きを与えたことで「法務で使っているなら良さそうだ」という口コミが生まれました。各部門からも導入したいと手があがり全社へ横展開していった、というのが大きな流れでした。

トップダウンで「使わされる」のではなく、「口コミで自然と社内に広がっていくものがいいものだ」という当社の企業文化が表れた事例の1つと言えるかもしれません。

日本たばこ産業株式会社 IT部 磯野伸幸氏

日本たばこ産業株式会社 IT部 磯野伸幸氏

翻訳時間が大幅短縮、翻訳への心理的障壁が下がった

各部門へと横展開された後、運用面で問題などは出なかったのでしょうか。

磯野氏

導入当初は、システム管理画面で管理者権限があれば誰でも内容の一部が見えてしまう仕様になっていました。私たちは部門間ですらNDAを交わさないといけないほど、厳密にセキュリティ面を管理していますから、元の仕様のままでは利用することができませんでした。その課題にも柔軟に対応し、真摯に改善してくれたことが大きかったです。

現場からのクレームも出ておらず、問い合わせもほとんどありません。ほぼサポートなしで運用できていますので、理想的なサービス展開だと感じています。

「AI翻訳サービス」を導入することで、どのような効果が得られましたか。

佐々木氏

法務だけでなくIR広報に関しても、一部の業務については、3分の1は確実に楽になったという声があります。必ずしも担当者は英語が得意とは限りませんし、日常的に英語を使っている者ばかりではありません。社内用語や専門用語も飛び交い、かつ期限までに大量の情報処理の必要があるなかで、それだけ翻訳にかかる負担は大きかった。

それがたとえば、これまでは「3日」と見積もっていた翻訳業務が、今では4時間もあれば終えられるものもあります。当たり前に時間がかかっていた業務のボリュームが削減された実感は、控えめに言っても想像を超えています。これにより、コア業務への集中が進みました。つまり翻訳の時間が短くなったことで、より重要な「内容の精査検討」に、ぎりぎりまで時間をかけられるようになったのです。

その結果、組織として翻訳に対する心理的障壁が下がりました。逆にAIはどんな翻訳をするのだろうという楽しみや面白さもあります。人間、「嫌だな」と思ったことは後回しにしてしまいがちです。ところが、心理的なハードルが下がったことで案件に着手するスピードが早まり、それがアウトプットにも影響しています。これが「AI翻訳サービス」の導入による最大の変化であり、メリットであると感じています。

情報共有のコストをいかに下げるかが今後の課題

今後はどのようにして活用の幅を拡げていこうと考えていますか?

磯野氏

当社ではすでに全社導入していますが、現在ではグループ会社でも使っています。投資家向けの決算資料やプレスリリースなどはすべて英語での同時開示のために活用しています。直近ではR&Dの翻訳量が増えていますね。


佐々木氏

今後は、過去の資料共有のための活用を検討しています。社内向けであれば「AI翻訳サービス」を通した一次翻訳の文章でも十分に精度が高く、実用に耐えると考えています。

そのほかに業務効率化のために進めていることはありますか?

佐々木氏

当社はトップの理解があるので、その点では推進力があります。たとえばRPA(業務自動化)を導入して、昨年はグループ全体で年間のべ9,000時間程度を削減することに成功しました。また、業務改善プラットフォームを導入し、これまで全国15拠点から法務に問い合わせがあったセールスプロモーションのルールや景表法などの情報共有コストを下げています。

情報共有コストをいかに下げるかは多くの企業にとっての課題です。その観点から「AI翻訳サービス」は業務をどのように変えていくと推測しますか。

佐々木氏

「AI翻訳サービス」の利用によって情報共有コストが軽減され、属人性を排除する方向に進んでいくと思います。すると、これまでの「英語が使える」「法律を知っている」ということに起因するプレゼンスや価値が失われていくでしょう。その時、どこに付加価値を見出すのか。私の担当する法務や人事のHRテックの話などにとどまらず、今後はあらゆる業務において「その業務の価値の源泉とは何か」がより厳しく問われていくのではないでしょうか。

本日はどうもありがとうございました。


  1. 任意のタイミングで翻訳前後のデータを削除できる機能 ↩︎

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