口コミサイトへのステルスマーケティング(ステマ)にかかる景品表示法上の問題点

競争法・独占禁止法
松尾 剛行弁護士 桃尾・松尾・難波法律事務所

 口コミ・ステマは何を注意すべきですか?

 景表法上一定の場合には有利誤認、優良誤認等になることです。

解説

 口コミサイトの情報は、有用な情報も多いが、例えば、虚偽の情報が記載されることや、いわゆる「ステルスマーケティング」(ステマ)として、事業者が自社に有利な口コミを書かせることもある。

 消費者庁は口コミサイトに掲載される情報は、一般的には、口コミの対象となる商品・サービスを現に購入したり利用したりしている消費者や、当該商品・サービスの購入・利用を検討している消費者からの質問によって書き込まれていることを前提とすれば、消費者は口コミ情報の対象となる商品・サービスを自ら供給する者ではないので、消費者による口コミ情報は景表法で定義される「表示」には該当しないという原則を明らかにしている。

 しかし、いわゆるステマ等、商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、当該「口コミ」情報が、当該事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景表法上の不当表示として問題となるとされている(インターネット広告留意事項 1 第2・2(2))。

 このような消費者庁の姿勢は、ステマそのものが直ちに景表法違反ではないが、その方法によっては不当表示になると総括できよう。そして、上記の消費者庁の見解を前提とすれば、例えば、ステマとして掲載した内容が実際のもの又は当該商品・サービスを供給する事業者の競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されれば、やはり有利誤認(『広告法律相談125問』Q66以下)や優良誤認(『広告法律相談125問』Q62以下)の問題が生じるということである(インターネット広告留意事項第2・2(4)、広告法 2 172頁、広告法務 3 28頁)。

 なお、タレントブログへの掲載については広告法務24頁参照。

©松尾剛行 本記事は、松尾剛行著「広告法律相談125問」(日本加除出版、2019年)の内容を転載したものです。
広告法律相談125問
  • 参考文献
  • 広告法律相談125問
  • 著者:松尾剛行
  • 定価:本体 2,700円+税
  • 出版社:日本加除出版
  • 発売年月:2019年7月

  1. インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項(平成23年10月28日消費者庁)一部改定 平成24年5月9日消費者庁 ↩︎

  2. 株式会社電通法務マネジメント局(編集)『広告法』(商事法務、2017) ↩︎

  3. 公益社団法人日本広告審査機構『広告法務Q&A』(宣伝会議、2014) ↩︎

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